7月
2014年7月4日
スターバックスがオーストラリアの直営店の運営権をオーストラリアでコンビニなどを展開する小売チェーンに売却することを決めたというニュースを読み、その背景としていくつかの要因があるらしいのだけど、その一つとしてスタバ進出以前からエスプレッソ文化が根付いていたことが挙げられていた。多くの優れたバリスタを生んでいるらしいオーストラリアでは、優秀なバリスタはまあそりゃそうかなと思うけど大手チェーンではなく個人経営の小さなカフェで活躍するのだという。そういったカフェは全国に6500店舗あり、売上は40億豪ドル、日本円にして3800億円ほどになるのだという。職業柄なのか、今は無職なので職業柄という言い方は妥当じゃない気がするのだけれども、前職柄、ええと、と思って電卓を叩いてみると一店舗あたり売上6000万円弱ということになり、個人経営の小さなカフェは6000万も売り上げるのか、と、少し暗澹とした気持ちになった。ほぼ無休で営業して一日あたり16万。まあでもそんなものかもな、という気にもなった。私が住んでいた岡山から見えた景色で言えば、一日16万円売り上げる「個人経営の小さなカフェ」と呼ばれるようなものなど多分なかったように思えるので、うわー、という気にはなったのだけれども、まあでも、そんなものなのかもしれないなとも一方で思いはした。
先月、借り入れをするだろうなというところで一度日本政策金融公庫に行ってみたことがあったのだけれども、それはもしかしたら以前も書いたかもしれないけれども、そこでいろいろうかがっている中で、お店やってたんですか、売上は?かくかくしかじかです。ああ、じゃあこじんまりとやられていたんですね、広さは?これこれこのくらいで。え…????となったのが象徴的で、岡山でやっていた商売の感覚と、東京のそういった機関の方が考える感覚はあまりに乖離しているというのがよくわかって、なんせ、家賃がまったく違うから、そのことが念頭になかったのかもしれない窓口の方には「このくらいの広さということは家賃はこれくらいにはなるから売上はせめてこれくらいはないと意味わからない」というのがあったはずで、だから、私が告げた売上と広さのバランスがまったく異次元で、ほとんど言語が通じ合わない相手としゃべっているようないびつさに衝撃を受けたのだろうとそのとき「ははあなるほどこれが東京か」と思いながら納得した。
だからまあ、ってまるでだからまあではないというか関係はないのだけど、物価もバカみたいに高いらしいオーストラリでは売上6000万くらいちょろいことなのだろう。ちょろいかどうかは知らないが、あくまで個人経営の零細カフェとくくられるレベルでそのぐらいは売り上げるのだろう、きっと。
7月3日。昨夜は友人たちと飲むということをおこなったため終わりに焼酎を2杯飲んだあとには頭が少し痛くなってもしかしたら嘔吐をするかもしれない、と思いながら白菜食った。彼らは会社勤めだったため、私は友人の家にお邪魔して泊まらせてもらったし、奥さんがいるのに悪いな、と思いながらぐっすり寝た。寝たのは3時近くだったと思うのだけど、友人は8時15分には起きたらしく、起こされたので私も起きた。おぼつかない足どりで、わりとこれは完全に二日酔いだ、と自覚した足どりで駅の方に歩きながら、会社員はすごいな、と思った。私は8時15分に起きる生活は今はとてもじゃないけれどもできる気がしないので、寝不足を感じさせない平気な顔で会社に向かう友人を見て、私はだけど二日酔いだなという自覚があったため予定もないので素直に大宮に帰った。
物件がある程度決まった感じがあり、そうなるともはや物件探しのそぞろ歩きという不毛といえば不毛、だけど何かやっている感を演出できるっちゃできる、というあの時間を過ごすこともなくなり、そうすると本当に予定もなく、とても暇で、ひたすら暇で、大宮、10時前着、煙草を吸いながら10時を待ってツタヤに行って借りていたのを返してまた3本借りて、それからすぐに家に帰ろうかとも思ったけれど二日酔いでサンドウィッチが食べたかったこともあり喫茶店でモーニングを頼んだらトーストが来た。考えてみたらだいたいのモーニングはサンドウィッチではなくトーストだろう。
それとアイスコーヒーを飲んだ。ジャレド・ダイアモンドの『鉄・なんとかかんとかを読んで、また勉強中の学生のようにノートに色々書き込んだ。私はこれほどの労力をかけて、いったいこの本から何を学びたいのか。
もちろん、そういう指摘もできるだろう。ただ、漫然と、さーっと読んでいくことの欠点として、それはいくつも挙げられるしもっともわかりやすいのは「何も残らない」みたいなところだろうけれども、もちろんそれもある、それは否定しない、だけど今わたしを駆動させているのはそれよりもむしろ、早く読めてしまうと早く次の本を買わなくてはいけなくなってしまって早く金が減っていく、というところを食い止めるために、上下巻でたぶん800ページ以上あるわりと長い本をこうやってちまちまと噛み砕く、ということなのではないかと思っている。収入の見通しが立たないとお金を使うのが怖いです、ということを実感する日々でした。
駅前でサンドウィッチマンみたいな男性が血を募っていたので献血でもしようかと思ったのだけど血を抜いたらより体調が悪くなりそうなので昼前に家に帰るも、何もやることがないという状況に変わりはなく、ズッキーニとハムときのこのクリームパスタなるものをこしらえて食った。母親が帰ってきたのでアイスコーヒーを淹れて飲んだ。チーズケーキを食ったか食わなかったかした。布団に寝っ転がってネットを見続け、その中で号泣した議員のことが気になって、初めて動画にあたってみたら思った以上の切れ味で面白く、友人から教えられた会見ノーカット版を、たぶんあれは40分くらいあると思うのだけど全部見る、という愚挙に至った。本当に何をしているんだろうという虚しさを噛み締めながら、会見動画拝見。
ハイライトとしての号泣を事前に見ているせいで、冒頭で記者と名刺交換を繰り返す姿とか、あるいはなんとも言いようのない問答の繰り返しなども、どれも面白く見えてしまい、この感じが、ああなるのか、という爆発の予感の愉快さをジワジワと味わうことになった。そして爆発は、やはり素晴らしく面白かった。
一年で100回以上行っている城崎温泉へのルートを問われて「電車に興味がないので覚えていない」という虚しい返答が繰り返されていた。記者はそれに対して「そういったお答えを繰り返されるばかりでは、議員の報告は虚偽であり、カラ出張をしていたのではないかと疑う県民あるいは国民も出てきてしまうと思うのですが、いかがでしょうか。出張が事実であるならば、もう少し納得のいきやすい説明をされた方がいいと思うのですが」みたいな問い方はしないのかな、したら面白いというかいいのにな、と思って見ていたのだけど、よくわかっていないのだけど、どうも、いろいろ支出ある職業なので議員報酬だけでは足りないよね、なので、政務活動費はわりと議員報酬の延長として理解されているところがあるよね、ということらしく、もしそれが慣習としてあって多くの議員がそういう使い方をしているならば、なんかまあ、大変かもなーとも思う。政治活動をやっていく上でどのくらいの金額が毎月掛かるのかさっぱり見当もつかないのだけど、意外に汲々であって活動費上乗せしないととてもじゃないけどということならば、政務活動費っていう名目捨ててそのまま議員報酬を上げてやったらいいのに、と思う。みんなやってんだよなー、それで人より楽してるってわけでは全然ないんだけどなー、ということであったとするならば、というところなんだけど、そういうふうに思った。それにしたって号泣するところだけじゃなくて全体に本当に意味のない愚かな会見だった。私はいつも、それは昨夜も繰り返し友人に言っていたのだけど、政治家は国民をもっとスマートにちょろまかすというか、クレバーにプレゼンしてくれないもんかね、それさえしてくれたらわりとオッケーなんだけど、と思っているタイプなのだけど、今回のにしても、先日のにしても、その前のやつにしても、本当にみんな愚かに見える。「ぐしい」という言葉が岡山にはあって、けっこう強い響きの言葉で怖いなと思いつつ嫌いじゃない言葉だったのだけど、全体として「愚鈍」を指している言葉なのだけど、本当にみんなぐしく見える。
とまあ、こういうことを書いていると本当に私は今時間を持て余している、少なくとも今日に関しては異常なほどに持て余している、ということがよくわかり虚しさもまた募るわけで、その会見に満足したあとは動物の動画を見て過ごした。動物の動画を見て過ごした。数匹のライオンがバッファローをやっつけるというか食べたり、シマウマがクロコダイルみたいなやつに攻撃されたり、ヤモリとヘビが戦ったりするやつを見て過ごした。そうだ思い出した、会見のやつを見る前は、強肩のメジャーリーガーの動画を見ていたのだった。ヤシエル・プイグはマヌエル・プイグほどではないけれども肩がたいへん強い、とのことだった。だから野球、政治、動物、という流れがあり、そのあとは日本の不可解な未解決事件、みたいなやつを見た。ぞっとしました。となって夕飯になった。
家族団欒。楽しい時間。日ハム対西武の試合を見ながら、上沢が4回2/3くらいで降板させられる姿を見ながら、先日両親が北海道旅行の際に買ってきたホッケの開き等をむしゃむしゃ食べた。旅行の話を野球見ながら聞いていると、まるで自分が今北海道の大地に立ち、眼前には札幌ドームがある、高鳴る期待、みたいな感覚になったりする?と母は私に聞いてはこなかった。そのことが私を落胆させたということは一つもなく、実際今日の試合は札幌ドームでも西武ドームでもなく、近所の大宮県営球場でおこなわれていたし雨が、だから外に降っている雨と地続きの雨がテレビの中でも降っていたのだけど、私はただ、少しうらやましい気がしていただけだった。
ツタヤで借りてきたジャック・ベッケルの『現金に手を出すな』を見た。たいへんかっこよかった。ジャン・ギャバンもかっこよかったけれども、夜に走る車がどれもかっこよかった。ビールを、今日はお腹の感じも悪いし飲むまいと思ったのだけど結局飲んだ。夜、ずっと眠かったのに今3時半、眠くなくなった。FIFAワールドカップの準々決勝が今日からで、フランス対ドイツ、本当はラテンアメリカ勢の試合が見たいんだけどな、ま、しょうがないな、と思ってテレビをつけたらどこでもやっていなくて、調べてみたら明日からとのことだった。そのため空いていた時間がさらにぽっかりと空き、必死で空白を埋めようと打鍵を続けた。