こんにちわ、世界!!
2012年3月19日
幼児的な欲求というか、思い返せば小学生低学年、進研ゼミを始めたときにすべてのページを攻略してしまいたいがために本来ひと月かけてやるべきものを一晩でやろうとしてその結果両親が喧嘩した。その喧嘩は私の覚えている限りではほぼ唯一のもので、やらせればいいじゃないか派と夜更かしはいけない派で衝突して、見たことのない光景だったから私はおおいにおののいた。俺はなんてことをしでかしちまったんだと、やりたくてしかたのない進研ゼミを放棄して布団にもぐって後悔らしきものをしていた。あるいはこれもやはり小学生の低学年だったと思うけれど、パワプロ好きだった私は新しいバージョンが出れば即座に買うし新しいバージョンが出る情報をいつでも取ろうとファミ通等を読んでいたのだと思うけれど、買ったら何をするかといえば試合ではなく全選手の能力を記載したノートを作ることから始めるのだった。それはとても気持ちのいいことだった。
高校受験期、逃避と勉強を兼ねてエクセルで作った表に前置詞とその用例を網羅した表を作ること。高校時代、映画のノートを作成すること。大学時代、長年蓄積した映画ノートの内容をすべてブログに転記してみること。友人たちとレビューサイトをやるためにまったくわからないhtmlを使ってページを作成すること。サラリーマン時代、エクセルで過剰な商品のスペック表を作成すること。
そういった作業が私は大好きで、夜を徹して、あるいは食事も忘れて打ち込めるらしく、今回wordpressでデザインを作っていったのもまさにそれだった。久しぶりに何かにのめり込んでいるという感覚があり、店とかどうでもいいからとにかくPCに向かいたいんだ、という状態が始めた金曜から3日間続いてしまい、とは言え客商売なのでそれでお客さんが来たらそれはそれでちゃんとやるので特に支障はなかったのだけど、気持ちの部分ではとにもかくにも打ち込みたいんです、phpってなんのことかわからないですけど、という具合だった。
その状態は当然いいものではないから早く終わらせんと、ドメインもホストがどうのこうのもサーバーがなんなのかもわからない中で友人に相当に手を借りてどうにかこうにかこのページが走り始めたのだけど不安定というのか、何がどうなっているのかとにかくわからないのだけど現在も「Google Chrome では www.akttkc.com が見つかりませんでした」であったり「このドメインはお名前.comで取得されています。」であったりが表示されて「あれさっきまでちゃんとできてたのに」とお手上げの状態が続く。私にできるのはリロードを繰り返すことだけで、原理的なものをわかっていないから何かあったときまったく対処できない。
最近はなんだかあれこれあったような何もなかったような日々が続いていて、なんなのか、すごく気分が暗くなっているので今回のようなのめり込める系の何かというのは大きな救いだったわけで、それでわざわざドメインを取得して自分だけのブログを作っちゃおう、やっほー、みたいなところだし、予想としては向こう一週間のうちにもう一度ぐらいは更新をするんじゃないだろうか。そしてそれからはまたはてなで書いていたときのような月1回とか2回とか、そんなペースの更新になるんじゃないだろうか。大学時代、何かに取り憑かれていたとしか思えないけれどもわりとボリュームのある文章を毎日のように上げていて、あんなふうに活性化されたら指の運動にもなるしいいよなとも思うのだけど、まあそうはいかないだろう。指の運動は大事だと思っていて、たぶん指に関しては書けば書くだけもっと書けるという感じがする。ボリュームに関してであってクオリティとかそういったものはど返ししての話だけど。しかし本当にうんざりする。何が原因でどうなっているのかわからないというのはうんざりを著しく増進させる。
それとはまた別に最近は感情のコントロールがうまくできないような日々でイライラするとガラスを割る等の情景ばかりをイメージして、とても手が荒くなる。気持ちがとてもすさんでいる。とてもすさんでいるのだけど、この糞みたいな文章が明朝体の美しい文字に変わってシンプルなページに流れていくのを見られればたぶん一気に落ち着く。だけど今は意味わからないことになっているのでまたバカみたいにイライラしている。煙草が止まらない。いくつか嘘を書いた。
執拗なリロードの末、数十分ぶりにakttkc.comがあるべき形で姿を現した。テスト投稿で添付したジャン=ピエール・レオーの画像が表示されてとてもうれしい。御加護という言葉がぱっと浮かんでくる。恩寵でもいい。先日店の本棚から『重力と恩寵』を手にとっているお客さんがおられて、お連れの方はフォークナーの『熊』を取っていて、売ってくれと言われたが断固拒否した。それは好きな短篇集だった。書き込みがたくさんされているから、とてもじゃないけど人にあげることなどできなかった。それを公共の場に置いている自分の神経をどこまでも疑う。何を主張したいのか。どんな自分を知ってもらいたいのか。厚顔無恥にもほどがある。そして自分の名前のドメインを取るあたり、そんな厚顔無恥な自分が愛おしくて仕方がないのだろうということがよくわかる。クソくだらない。
現在は下巻に突入した『逆光』の箸休め的な感じで廣瀬純『蜂起とともに愛が始まる』を読み始めたところで、これは年長の友人が面白いと言っていて目次を見たら「フローは切断なしには流れない ゴダール/レヴィナス/パチョーリ』といった感じのが並んでいて面白そうだったから買った。題名も感傷的で好みだった。それにしてもピンチョンの感傷はなんなんだろうか、得体が知れない、と『逆光』を読みすすめるにつけ思うのだけど、全体を覆うバカバカしさよりももしかしたらよほど感傷の方がピンチョンの本当なのじゃないかと思い始めた。メソメソ泣きながら書いているんじゃないだろうか。
映画を見たい。映画の上映会をやりたい。映画について言葉をつむぎたい。このブログが始められさえすれば、それらが実現されると思っている短絡者がここにいる。作って、書き始めてみたが、やはり書きたいことなんて何ひとつなかった。
投稿しようと思ってちょっといじったりしているうちに再び「Google Chrome では www.akttkc.com が見つかりませんでした」になった。誰か助けてください。