7月、Shhhhh…Hush…Hush, Sweet Charlotte
2012年7月4日
日曜日の晩、店を閉めてから城下公会堂に行った。ShhhhhとDJ威力のイベントだった。行ったときはShhhhhとモデラードミュージックの岡本さんという流しのCD屋さんのトークセッションが始まるところで、これがとても面白かった。
話の折々に曲を流すという流れで、そのときに出てきた固有名詞はnora sarmoria、maria joao、ramon montoya、josephine foster、chano dominguezといったところだった。どれも知らない人で、その都度間違ってなさそうなスペルのところまで打って予測を待ってこの人かなと見当をつけてコピペしてメモしておいたのだけど、Shhhhhという音楽家がどういう背景を持っているのかが知れ、知らない文脈の音楽を知る機会をこういうふうに与えてくれるというのは、とてもうれしい体験だった。そのあとにShhhhhのDJがあり、とてもよかった。後ろは話し声が賑やかだったので前の方に行って、すごく充実した気分で音を浴びていた。ズンチャカズンチャカが入りだすとすぐにどうでもよくなるのがこの日も出て、「踊れる」音になった途端に興味を失って後ろに戻って座った。人々は前の方でけっこう波打っていた。私はクラブに向いていないんだろうなと思った。威力の途中まで聞いて帰った。みんな知り合いみたいに「威力ちゃん」と言っていた。
それにしても、トークセッションとてもよかった。こういう試みがどんどんされたらいいなと思う。音楽に限らず、映画館も同じことやったら面白いのにとも。上映後にスタッフないし館長が講釈を垂れるとか、話されることが面白ければ見に行く動機にもなりそうだなと。コンテンツ丸投げして終わりじゃ厳しいんだから、うんぬんかんぬんと。
お客さんがとんと来ない日には、ゆっくりできるし本をたくさん読もうと思う日と心細い日があって今日は後者。降ったりやんだりを半端なリズムで繰り返す天気で夜は肌寒く、杉本拓のギターが間欠的に鳴り、彼女が踏むミシンがガタガタ言い、煙草の煙が目の前から上がる。さっきまで気持ち悪かったお腹はなんだったか。数日前に届いていた箱をやっと開けて新調したメガネを掛けてからだったけれど、それは同時に、遅めの昼飯を食べてからだったとも言えるし、あるいは、コーヒーを飲んでからだったとも言えるし、何が原因かはわからない。いずれにせよもう治ったからいいのだけど、心細い感じは消えないで今夜は続きそう。
店から見えるのは東の空で、暮れて、まだ光が残るころ、低いところを流れるというよりは横たわる大きな雲が東のずっと奥の暗いところに向けて目に見える速さで移動していった。外に出て見上げると、すべての方角から、その一帯に向けて雲が移動しているように見えた。重い雲が東に移ったあとの頭上の空は明るさを取り戻して、すぐにまた、今度は夜の訪れによって暗くなった。
昼間、濱口竜介さんのお友だちの方が今度のレトロスペクティブのチラシを持って来てくださった。7月28日から8月10日まで、渋谷。岡山の小さなカフェに渋谷の特集上映のチラシ。
それにしてもまだ見ぬ「日本映画の最前線」を目撃したくて仕方がない。また東京にゆけということだろうか。
昨日は休みで、映画を見に行ったりケーキを食べたりしたあと、強いにわか雨に打たれて服を濡らしたあと、インターネットカフェに行って延々と『宇宙兄弟』を読んでいた。彼女がお客さんの若者から途中まで借りたやつで、昨日読み始めたら面白く、二人とも続きが気になって仕方がなかったのでネットカフェを利用した。3時間ぐらいのつもりが結局6時間ぐらい、1時過ぎまでいてしまい、二人で5600円も取られた。最初から、七夕カップルパック5時間二人で2000円みたいなやつにしておけばこうはならなかった。自分たちを侮って、七夕カップルパック2時間二人で1000円みたいなやつにしてしまったがために、5600円も取られるはめになった。だから昨日は彼女の誕生日だった。