裏切りのサーカス(トーマス・アルフレッドソン、2011年、イギリス/フランス)
2012年7月27日
映画館でも眠くなるものは眠くなるというのを久しぶりに思い出させてくれたという点でいえばありがたい作品というか何がありがたいのかはまるで判然としないけれども、久しぶりに映画館でうとうとするという時間を経験できたことは行幸というか何が行幸なのかはまるで判然としないけれども、”Tinker Tailor Soldier Spy”というやたらに魅力的な原題および原作を持つこの映画は、予告編を見て「ワクワク」と思っていた感覚を見事に裏切る、鈍重で眠気ばかりを誘う作品だった。
たぶん、原作はすこぶる面白いんじゃないかと思うのだけど、多分に複雑な相関や過去や出来事をどうにか2時間にまとめようとしたところうまく回収できなかった、というのがこの映画なんじゃないかと、うとうとして最後どうなったのかわからない状態の私が思ってみたところで何の説得力もない。とは言え、話を追えなくなることで見続けるのがしんどくなるというのはよき映画ではないはずだとも思うので、まあいいやということにする。
しかし、映画にとって音楽と踊りというのはやっぱり大きな武器らしく、パーティーのシーンはよかった。音楽が鳴って、人々が踊って、見つめ合ったり飽きたりして、酒を飲んだり声を張り上げたりして、そういうのはやっぱりとてもよい。