デニス・レヘイン/ムーンライト・マイル
2012年7月27日
ムーンライト・マイル (角川文庫)友人のブログで知り読んでみた。本当はシリーズの最初の作品を買うつもりだったのだけど本屋に行ったらこれしかなく、シリーズ最終作から読むことになってしまった。訳者あとがきでも前作の『愛しき者はすべて去りゆく』から読むべきだと書かれているのでやっちまったなという感は否めないのだけど、それでも十分に面白かった。キャラクターがものすごく魅力的であるとか、ユーモアの効いた文体がいいとか、情景描写がいいとか、シリーズの他の作品を知らず時間的な厚みが欠けているせいもあるかもしれないけれども個別に見るとどれも取り立てて私を強く惹きつけるというものではなかったけれども、早く早く、次のページ次のページというふうに読み進めさせられるのはやはりストーリーテリングの妙なのだろうか。探偵ものはやっぱりいいね、というところだった。
今読んでいるデイヴィッド・ゴードンの『二流小説家』でもそうだし、そんなキャラクターは大勢いるから物珍しくもなんともないのだけど、本作でいうところのアマンダのような頭がキレキレの少女というのはやはりめっぽう強くて魅力的で、もうその手はずるいだろと思う。パトリックとアンジーシリーズの他の作品も順次読んでいきたい。