ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!(ベス・カーグマン、2011年、アメリカ)@シネマクレール

cinema

今年は記録と備忘も兼ね、極めて短くてもいいから見た映画なり読んだ本なりの感想ないしメモを少しでも書いていこうかなと思ってこうやって書きだしつつ、どうせすぐに途絶えるだろう。

 

ということで今年の一本目はこのドキュメンタリーとなった。

予想通り、少年少女が舞台上で必死かつ優雅に踊る姿に涙がこみ上げてきた。

アランの紳士っぷり、肩で息をしながら控え室に戻っていく演技後の後ろ姿。レベッカの家のワインセラー、グランプリファイナル前日とかにティファニーで指輪買ってもらう感じ、車のハンドルのデコレーション。ガヤとアランのキュートなカップル。

どの子供たちも素晴らしく輝いていた。

特に胸を打ったのはアキレス腱の怪我で直前まで痛みに顔をゆがめていたミケーラが、本番の舞台で見せたとびきりの笑顔と躍動だった。「すごいなー」と思いました。

それから親のサトコさんの教育ママっぷりがやたらにフィーチャーされていた(本番で娘が転倒した理由を考えました。それは私のせいです。失敗の責任は私で、成功の栄誉は彼女にあります、という発言がけっこうきてるなと思った。バレエを辞めた息子には参考書をどっさり買い与え、バレエやらないならせめてハーバードかMITねとさらっと言っちゃうあたりとかかなりきつい。いつかこの家族は瓦解しそうに見えた)ミコの、12歳にしてやたらに達観した姿にはほとんど凄みすら感じさせられた。こんなのは通過点にすぎない、とでも言うかのように緊張の素振りも見せずに本番の舞台にさっそうと滑り出し、妖艶な演技をこなしてちゃんと受賞するとか、とんでもない人がいるもんだと。

 

ということでたいへん感動したのだけど、このドキュメンタリーの結構はいったいなんなんだろうという違和感は最後まで拭えず。あの字幕とか、いったいどういうことなんだろう。テレビのドキュメンタリーのようだった。制作はBBCなのだろうかと。バレエ映画を見るとたいがいそうなるのだけど、アルトマンの『バレエ・カンパニー』を再見したい。


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