イースタン・プロミス(デヴィッド・クローネンバーグ、2007年、イギリス/カナダ/アメリカ)
2013年1月30日
先日見た『危険なメソッド』は、キーラ・ナイトレイの過剰さに惹かれこそすれどどこか煮え切らない気分だった。クローネンバーグは『ヴィデオドローム』や『ザ・フライ』、『ヒストリー・オブ・バイオレンス』しか見ておらず、今一つどういう作家なのかはわかっていないのだけれども、この作品では重厚な色彩とそれなりにえげつない暴力描写を見せてくれ、楽しめた。
『危険なメソッド』での時と同じような雰囲気のヴァンサン・カッセルのアップダウンの激しい振る舞いや、ナオミ・ワッツの淫靡かつ薄幸そうな口元、アーミン・ミューラー=スタールの非道さ際立つ好々爺っぷり、そしてびっくりイエジー・スコリモフスキー!といった、脇を固める人々がとてもしっかりと脇を固めていてとてもよかった。
そして何より、誰もがそう言うであろうけれどもヴィゴ・モーテンセンがたまらなく格好いい。最後まで『危険なメソッド』で鬱陶しいフロイトを演じていた人と同じだとは気が付かなかった。最後のショットで見せる風格は、ほとんど『ゴッドファーザー』のマーロン・ブランドのようだった。
続編が撮られるようなので、とても楽しみです。